第26回 思っている以上に治らない、小さな傷──アロマケアに必要な「予防」の視点

アロマケア=癒し、リラックス。
それもとても大事なのですが、介護の現場で大切にしたいのは 「傷の回復の遅さ」 にも目を向けること。
「小さな傷だし、大丈夫かな」
「ちょっと赤くなっただけだから、自然に治るだろう」
そんな風に思っていたら、
想像以上に治りが遅く、傷口が広がってしまうことは珍しくありません。
よくある5つの『思っている以上に』
介護に役立つアロマケア講座の中でも必ずお伝えしている5つの視点。
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皮膚が傷つきやすい
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傷が治りにくい
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皮下出血を起こしやすい
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刺激に敏感なことがある
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刺激に鈍感なことがある
今日は、その中の「②傷が治りにくい」について詳しくお話しします。
前回の①思っている以上に皮膚が傷つきやすいの記事はこちらをタップorクリック♪
なぜ治りにくいのか?
高齢者や疾患を持つ方では、
・皮膚のターンオーバーが遅い
・血流が低下している
・免疫力が下がっている
こうした理由から、 “ちょっとした傷でも治るのに時間がかかる” のです。
たとえば──
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軽い擦り傷が、1週間以上赤みが残る
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小さな引っかき傷が膿んでしまう
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同じ場所に繰り返し刺激が入り、慢性的な皮膚トラブルになる
こういったケースは現場でもよく見られます。
「治りにくさ」は体の状態とつながっている
高齢者や、糖尿病・脳血管障害の後遺症などを持つ方は、
血流も低下しているし、免疫力や代謝も低下しているため、傷の回復に時間がかかる傾向があります。
特に注意が必要なのは…
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糖尿病のある方:毛細血管の障害で、傷の治癒が遅れやすい
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脳血管障害で麻痺のある方:血流低下や感覚鈍麻により、傷に気づきにくく感染リスクが高い
こうした方は、「軽い擦り傷だから大丈夫」と思っても、
化膿したり、蜂窩織炎(ほうかしきえん)といった感染症につながる可能性があります。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは?
皮膚の深いところ(真皮や皮下組織)に細菌が入り込み、
腫れ・赤み・熱感・痛みなどが急に出る炎症です。
高齢者や疾患のある方は、
「打ち身と思っていたら、どんどん腫れてきた」
「知らないうちに足が熱を持っていた」
といったかたちで、気づくのが遅れがちです。
皮膚のバリア機能が落ちている時に、
些細な傷が大きな感染症の入口になることを、私たちは忘れてはいけません。
傷を防ぐためにできること
ハンドトリートメントやフットトリートメントの際は、
「そもそも傷を作らない配慮」がとても重要です。
✅ 保湿を徹底し、乾燥やかゆみを防ぐ
✅ 爪を短く整え、無意識の引っかき傷を減らす
✅ ケア中の摩擦や衣服のこすれを最小限にする
✅ 少しでも皮膚が赤い・弱っていると感じたら、無理に触らない
オイルでの保湿は、皮膚を守るだけでなく、
「ここに少し赤みがある」「この部分は冷たい(あるいは熱い)」など、
異変に気づくきっかけにもなります。
最近は『介護美容』という分野が人気となっていますが、介護美容に携わるセラピストさんはやや爪が長めで綺麗にネイルを施している方も多いです。
その場合は、絶対に利用者さんに傷を作らないように更なる慎重さが求められます。
私たち作業療法士などの仕事では、患者さんや利用者さんをベッドから車いすに移す動作(移乗動作)も頻繁にあります。
抱きかかえるように、ぴったり身体を密着させて移乗させるので、仕事中は指輪はもちろん、ピアスも外していました。
移す時はポケットに入れているペン類も全部出して、名札も外してから行う。
私は爪は短いし、ネイルはしていませんが・・・
やや長めに整えてネイルをしている同僚は、患者さんに触れる時は必ず手袋を着用するという人もいました。
それくらい、傷をつくらないように徹底していました。
ケアは“傷の予防”から始まる
「傷ついたらケアする」ではなく、
「傷を作らないためのケア」が何より大切です。
香りの心地よさはもちろん、
安全に“触れられる”肌をつくることが、
アロマケアの本当の優しさにつながるのかもしれません^^
アロマケアは、医療ではありません。
でも、ケアする人がちょっとした異変に気づける視点を持つことで、
大きなトラブルを防ぐことができます。
✅ 傷の有無だけでなく、皮膚の色や熱感、むくみにも注目
✅ 「治りかけ」の傷には触れず、保護を優先
✅ 異変があれば、無理にケアを続けず専門職へ相談
香りと手の温かさ届けるには、見守る目と判断がとても大切だと思います^^
「傷があるからできない」ではなく、「どう配慮するか」
「この方には、今日はトリートメントじゃなく、
香りを楽しむだけにしよう」
そういう判断も、ケアの一環です。
届けることも、届けないことも、
どちらも「やさしさ」になるということ──
アロマケアを伝える私たちが、大切にしたい視点です。
『3.思っている以上に皮下出血を起こしやすい』については、また来週^^
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