介護の現場でなかなかアロマを使えない一番の理由
こんにちは。沖縄 宜野湾市 アロマとハーブの教室『手放す時間』の石川です。
『介護とアロマ』。元々相性がいい分野ですし、ボランティア活動もかなり前から活発な分野ではありますよね。
私も一番最初に関わったのは、高齢者施設でのアロマケアの有償ボランティアでした。今から8~9年くらい前になります。
当時は介護アロマケアのサポートグループに所属して、月1回の勉強会や練習会、そしてグループでのボランティア活動。
本当に勉強になりました。
そんな経験があったから、その後に医療機関でアロマケアを行うことができたんだと思っています。
何を準備したらいいのか、どんな精油を使うのか、ボランティア活動をどのように運営しているのか。
見て学べるのは、やっぱり現場に入るのが一番です。
でも、私がその経験を活かしてすぐに医療機関でアロマケアを行えたかというと、そうではなかったんですよ。
ホスピスに就職してアロマケアを行える環境にいるにも関わらず、実際に患者さんにアロマケアを行えたのは少し経ってからでした。
身体のことは作業療法士として学んできているし、アロマテラピーのことも学んでいる。
だけどなかなか一歩が踏み出せなかった。
その理由を今日は話していきますね。
原因その① 自分のアロマの知識に自信がない
高齢者施設でボランティア活動をしていたのは、JAAのアロマコーディネーター資格を取得してすぐでした。
取得してすぐに活動できていた理由は、グループで活動していたからです。
経験豊富な先輩たちもいるし、初心者の私には比較的軽度の利用者さんを担当させてくれましたし。
何より、グループの中心的役割を担っていたのは私のアロマスクールの先生。
作業療法士としてなら高齢者には数えきれないくらい接していましたが、アロマケアとなると話は別。全くの初心者です。
分からないことがあれば聞ける、不安なことがあったら確認できるという有難い環境だったのですよね。
でも、それがホスピスに就職して一人でいるときに、アロマケアを行うとなると話が変わってきました。
『私のアロマの知識で果たして大丈夫なのだろうか・・・』と不安が先に来てしまったのですよね。
この『アロマの知識』というのがちょっと厄介。
それが『私はメディカルアロマと言われているスクールで学んでいない』という劣等感だったんです。
今ならそんなこと気にしなくて大丈夫。と胸を張って言えますが、当時は本気で悩んでいました。
自分の知識に自信がなかったから、周囲の『メディカルアロマ』という言葉に振り回されてしまったのですよね。
結果、なんとも言いようのない不安感が襲ってきて、なかなか患者さんにアロマケアを行うことができませんでした。
せっかくアロマケアもしたくて転職したのに。ですよね。
原因その②がん終末期を知らなさすぎた
私は作業療法士になってすぐに脳神経外科がメインの病院へ就職しました。
急性期(病気になって2週間以内。命を救うための治療が優先の時期)から回復期(リハビリ中心の時期)、そして同系列病院で維持期(長期間の療養が必要な時期)。
そこで13年勤めたので、脳卒中後遺症の患者さんに対する知識にはある程度自信がありました。
でも、がん終末期に関する知識はほとんど無いに等しい。
病気の進行の仕方なども、今まで勤めていた病院とは全く違う世界だったのですよね。
脳卒中後遺症だと、病気になってからすぐに治療が開始され(急性期)、リハビリがスタート。どんどん身体の機能や日常生活の動作が回復していく時期(回復期)です。
病気によって急に動かなくなった身体を動かせるようにリハビリし、日常生活が自立できるように支援、そして退院していく。という世界に私は13年いました。
ホスピスはその逆です。
出来ていたことが出来なくなっていく過程を目の当たりにします。
経過が速い場合は、一日一日病状がどんどん変化していきます。
そして最期を看取り、見送る。
ホスピスに就職したばかりの頃は、その経過の違いを受け入れることに必死で、アロマケアのことを考える余裕さえなかったです。
アロマケア以前に、『作業療法士として何ができるのか』というところでつまづいていたので、なかなかアロマケア導入に至らなかったのも当然です。
自分のアロマトリートメントサロンで『脚のむくみ』の悩みには対応してきましたが、『がんによるリンパ浮腫』は講習会でリハビリ方法を学んだことはあっても、実際の患者さんはほとんど経験したことがない。
その分野のことを知らなさすぎる。それが原因でした。
突破口は『相手を知る』。
そこで私がとった行動は、まず『がん終末期について知る』。
現状、ホスピスはリハビリは医療保険の対象外です。
なので、ホスピス専属のリハビリ職というのは珍しいんです。 病院の収入になりませんから。
(大半の病院は他の診療科との兼任です)
なぜ私がホスピスでリハビリの仕事ができていたかというと、病院側からのサービスとして提供していたからなんですよね。
そのため、リハビリ関係の本には、がん終末期のリハビリについての記載がほとんどない状況だったんです。
私は看護関連の本でがん終末期について調べ、もちろんネットも駆使して調べました。
そして偶然見つけたのが『終末期ケア専門士』という資格だったのですよね。
正直この時資格そのものはどうでもよかったです。とにかく終末期のことを知りたかった。
『終末期ケア専門士』のテキストは各分野の終末期ケアのことが網羅されている。と目次をみて判断し、受験することにしました。
その時まだ試験自体が第1回目。 過去問もなければ誰かに話を聞くこともできず。評判を聞くこともできません。
何もない状態からの受験だったので、勉強方法は過去一番難しかったかもしれません(だって作業療法士の国家試験は過去問がありますからね)。
でも、本当に勉強して良かったと思える内容でした。
(ついでに言うと、終末期ケア専門士は資格取得後はポイント更新制。 セミナーや動画講座を受講して学び続けないと、次の更新ができない仕組みです。私はそれ賛成。)
その後リンパ浮腫講習会を受講するなどして、とにかく『相手の状態を知ること』に専念しました。
アロマケアの突破口は『使わないという判断』
私がホスピスでアロマケアを行えるようになった突破口のもうひとつは・・・
『精油は使わないという判断をする』ということを覚えたからです。
アロマケアをするのに、精油を使わない判断をすることが突破口???
と思いますよね。
でもこれ、意外に気付かないかも知れないです。
私ががん終末期やリンパ浮腫の患者さんにアロマケアを行えなかったのは、疾患の知識がなかったことと、あとは『精油を使って大丈夫なのだろうか・・・?』という不安感です。
『この状態で精油、大丈夫?』
『何かあったらどうしよう』
これです。
ハンドやフットのアロマケアを行う=精油が入ったトリートメントオイルを使う
という方程式で頭が凝り固まっていたのが原因でした。
私は精油をオイルに入れずにハンドやフットケアをして、精油の香りはティッシュに落として枕元に置いて嗅いでもらう。
という判断をしました。
それが私には逆に精油を使うということの自信にも繋がったのですよね。
精油を『使わない』という判断基準を自分の中で設けると、『使う』という判断がしやすくなったんです。
それからは不安感で苛まれることがほとんどなくなりました。
私が『介護に役立つアロマケア講座』で疾患を知ることに重点をおく理由
私のオリジナル講座に『介護に役立つアロマケア講座』があります。
※現在リニューアル中で、入門編は10月に講座を再開します。入門編は疾患についての内容ではなく、ご家庭でアロマケアを行うことにフォーカスした内容です。
この講座は、私がホスピスでアロマケアを行っていたところ、患者さんのご家族から
『私たちでもできるマッサージ方法を教えて欲しい』
『私たちもアロママッサージをやってあげたいけど、何をどこで準備したらいいですか?』
と沢山のご質問を受け、それに応えていた経験から作ったご家族向けの講座でした。
有難いことに受講者さんは介護関連職の方も多く、よくよくお話を伺うと、かつて私がなかなかアロマケアを導入できなかった頃と同様の悩みを抱えていることも分かりました。
『アロマの知識に自信がない』
⇓
こちらに関しては、JAAアロマコーディネーター養成講座でお伝えできます。
医療・介護関連職の方で、『メディカルアロマじゃなきゃやっぱりダメ?』と感じている方。大丈夫『メディカルアロマ』って言われていることの意味から説明します。
それが分かれば不安感から解放されます。
それを踏まえた上で、現場で使えるアロマの知識をお伝えしますよ。
『疾患の知識に自信がない』
⇓
介護・医療の現場でアロマケアを行うなら、やっぱり疾患の知識がある程度必要です。疾患のことを知っていれば、禁忌や注意点が分かります。
※もちろん個人差が大きいです。
そこを押さえていれば、アロマケアを実践していくことへの不安感はなくなりますよ。
『介護に役立つアロマケア講座』は、実践することを前提とした内容です。 同じ理由で悩んだ私なので、アドバイスできることはしますし、相談にも乗ります。
今JAAアロマコーディネーター講座を受講くださっている生徒さんからの話を聞くと、やっぱり同じところで悩んで、動けなくなってしまうのだなあと感じています。
介護スタッフとして中にいるからこその悩みもあるはずなので、その辺りも一緒に考えていきますね!
そこで、ちょっと前倒しでお知らせ。
10月に介護とアロマについてプチ講座を開催します。
⇓
10月の講座型ワークショップのテーマは『介護とアロマ』です!
今日は私の介護や医療現場でのアロマケアの経験をお話してきました。
『介護に役立つアロマケア講座』っていったいどういう内容?と気になった方へお知らせです☆
私が毎月テーマに沿って行っているワークショップ型講座。
10月のテーマは
『介護にアロマがどう活かせるの?』介護とアロマケアの疑問を解決
です。
今回は講座の内容をちょこっと公開。
そして、一時期超有名になった『認知症予防アロマ』。あれっていったい何の精油?
などなど。
介護とアロマにフォーカスしたプチ講座と、ケア用オイル作成。
私のハンドトリートメントを体験♪
この分野になるとまあーー私は話が尽きないので、この機会に在宅介護についてのご質問などありましたら聞いてみてください。
ただし、私はケアマネージャー・ソーシャルワーカーではありませんので細かなアドバイスはできません。が、どこに相談行ったらいいのか?介護保険っていったい何?
ということはお答えできますので。
近所の人に聞いてみるというような気軽な気持ちでお越しください^^
【内容】
前半:介護とアロマのプチ講座
後半:ケアオイル作成とハンドトリートメント体験
【日時】
2024年10月28日(月) 10:00~12:00
【開催場所】
アロマとハーブの小さな教室 手放す時間
【募集人数】
3名様 人数に達したため募集を締め切りいたしました。
【参加費】
3,000円
【お支払い方法】
・当日現金払い
【お申込み方法】
①ご予約フォームより⇒ ★こちらをクリック★
②公式LINEでメッセージより
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をご記入の上、トーク画面よりメッセージください