第30回。 旧盆。沖縄の線香のはなし。

こんにちは。アロマの教室『手放す時間』の石川です^^

今日から沖縄は旧盆。 一年の中でもお正月と同じくらい(というか、旧盆のほうが行事としては大きいか)のメインイベントです。

ちょうどタイムリーだったので、第30回のブログは『沖縄の線香のはなし』にしようと思います。

沖縄の旧盆と線香の香り

↑我が家の旧盆の仏壇(少しだけAIで加工してあります)

今日から沖縄の旧盆、今日はウンケー(お迎え)の日です。
夕方頃から、あちこちの家から線香の煙がふわ〜っと漂ってくると思います。


線香の香りを嗅ぐと、やっぱり記憶と結びついているためか、子どものころを思い出します。

日常にあった香り

沖縄で生まれ育った私にとって、線香の香りはごく当たり前の日常でした。

毎月旧暦の1日・15日に台所のヒヌカン(火の神様)にお願いするとき、年忌法要や、旧盆やシーミー(清明祭)でお墓に集まるときも──そこには必ず線香の煙と香りがありました

小さい頃はよくやんばるの祖父母の家に預けられていたので、線香の香り=祖父母の家という思い出でもあります。

子供頃はやんばるは、まだまだ昔ながらの市場で旧盆や正月の買出しをしていたので、旧盆といえば母親と一緒に市場へ出向いて、お肉屋さん、八百屋さん、もち屋さん、線香・ウチカビ(あの世のお金)屋さんをそれぞれまわって買い物した思い出。

あの頃はワクワクしました。

沖縄ならではの線香

↑沖縄の線香。真っ黒で平たい。

沖縄の線香は本土のように細い棒状ではなく、真っ黒な平たい短冊のような形です。

線香の香りとして記憶と繋がっているのですが、アロマを習い始めて香木(白檀など)について知ると、本土の線香と沖縄の線香は香りが全然違うなあ・・・と思いました。

そして調べたら、原料が全然違う。

沖縄の線香には香木は使われていないのです。

沖縄線香と本土の線香

  • 本土の線香

    • 杉や松の粉、香木(白檀・沈香など)、香料を混ぜて作る。

    • 香りが大きな要素。

  • 沖縄の線香

    • でんぷんと木炭を練って乾燥させたもの。

    • 香りはごく控えめで、ほのかに穀物を焼いたような素朴さ。

    • 香りよりも「煙が立つこと」に重点が置かれる。

この『でんぷん』って何かというと、フーチャンプルーで使う『くるま麩』を作る時の副産物(残りかす)だそうです。

昔は芋くずや馬糞で作っていたそうですよ(驚)

沖縄線香は香りが控えめと、どれを調べても書いてありますが、私的には結構独特な香りがすると思っています。

煙は確かに沢山でますよね。

大きな仏壇をもっている家だと、仏壇の天井部分に換気扇が取り付けられている家もありますよね。

香りの違い

  • 本土の線香

    • 白檀の甘い香り、沈香の深い香りなど、多彩で濃厚。

    • 仏前や法事で「空間を清める」「心を落ち着ける」役割が強い。

  • 沖縄の線香

    • でんぷんを使っているからか、少し香ばしい感じ。

    • 線香の燃え方で御願(お祈り)不足かどうかとかの言い伝えがある。
    • 煙でつながるという言い伝えがあり、旧盆期間中は線香を絶やさないようにと教えられた(実家の場合)
      →今はもう3食のごはんを供える時くらいかな

文化的な意味の違い

↑私の父方の年忌法要の様子。身内にユタがいるので、ユタのやり方で線香やウチカビをこれでもかってくらい焚きます

  • 本土

    • 仏壇や法要のときに、香りで場を清め、心を落ち着ける。

    • 香りそのものが「供養」や「清め」の意味を持つ。

  • 沖縄

    • ヒヌカン(火の神様)、仏壇、お墓参り、旧盆やシーミーなど、日常的に使用。

    • 「煙を立てること」が祈りを届ける行為。

    • 原料にでんぷんが使われるのも「日常の恵みを捧げる」意味合いがある。

香りと祈りの形

子どものころから仏壇やヒヌカン(台所の火の神様)への御願(祈り)を日常的に母親から教えられていたので、本当にごくごく日常。

仏壇のある家だと、旧盆中は朝・昼・晩と食事を供える度に、家族がそろって線香をたてて仏壇の前で手を合わせるというのを、子供の頃から教えられている家もあると思います。嫁ぎ先がそうです。

香りが呼び覚ます記憶

↑今現在の我が家のウークイ(見送り)。仏壇から色々下して、窓に向かって手を合わせます。

いまでも線香の香りにふれると、祖父母や親戚が集まって賑やかに食事をしたシーミーの風景や、家の台所で母がヒヌカンに手を合わせていた姿を思い出します。

旧盆だと見送りでも線香やウチカビ(あの世のお金)を焚きますが、母親の実家の地域では、家の前にエイサーがきたら、エイサーの唄と踊りを聞きながら、外で線香を立てて見送りするという風習が今でも残っています。

そんな風景をやっぱり思い出しますね^^


香りは、目に見えないけれど確かに心に刻まれ、時間を越えて文化と結びつきながら今へと伝えられているのですね^^
それが「香りの文化」の一番大きな力かもしれません。

おわりに

線香の香りは、私にとって沖縄の原風景そのもの。


そして香りは、暮らしや祈りの文化を映すもの。香りと文化って世界中でその地域独特のものがあるので、住んでいる地元のことを調べると面白いですよ^^

もし、今から大学に行けるとしたら・・・沖縄の歴史と香り文化の研究をひたすらしたい。


今日はウンケー(お迎え)の日。 家族そろって義母をはじめとするご先祖さまの帰省をおもてなししようと思います^^

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