第25回 高齢者・疾患を持った方。思っている以上に…①皮膚が傷つきやすい

── ハンドトリートメントで気をつけたいこと

アロマケア=癒し、心地よさ。
ハンドトリートメントも、介護現場でとても喜ばれるケアのひとつです。

でも──
「優しくなでるだけだから大丈夫」。

もちろん、それも大正解。
でも、それだけなのもちょっと違う。

高齢者や疾患をもつ方の肌は、
思っている以上に繊細で、ちょっとしたことで傷ついてしまいます。

よくある5つの『思っている以上に』

介護に役立つアロマケア講座の中でも、必ずお伝えしていることがあります。
それがこちらの5つです。

  1. 皮膚が傷つきやすい

  2. 傷が治りにくい

  3. 皮下出血を起こしやすい

  4. 刺激に敏感なことがある

  5. 刺激に鈍感なことがある

今日はこの中の「①皮膚が傷つきやすい」について、少し詳しくお伝えしますね。

表皮剥離(ひょうひはくり)──『あるある』な場面から起こること

「そんなに力入れてないのに…」
「軽く当たっただけなのに…」

でも実際には──

・少し袖口が引っかかった → 表皮剥離
・壁に肩が“トン”と当たった → 表皮剥離
・車いすの足置きから脚を下した時にすこし当たってしまった→表皮剥離

このような例、実は現場では珍しくありません。

皮膚が薄く、柔軟性が失われている高齢者の肌は、
想像以上に“破れやすい”状態です。

「やさしくする」だけじゃ、少し足りない

もちろん、力加減を工夫するのは基本。
でもそれだけではなく──

✅ 皮膚の状態を事前にチェック
✅ 保湿が不十分な場合はそれを先にケア
✅ オイルの量や手の滑りに気を配る(高齢者の場合はトリートメントで筋肉をとらえる必要はないので、オイルは多めが基本です)
✅ 袖や衣服が引っかからないように工夫
✅ 自分の爪や指輪などで傷つけないように、手入れを必ずしておく

こうした視点があると、怪我の回避にもつながるし、異変の発見にもつながります。

ケアは“触れる前から始まっている”

「皮膚が弱いからやらない」だけではなく、
「皮膚の状態を見て、やり方を変える」
それが、現場で役立つアロマケアの基本です。

香りと手の温もりを届けるためには、
安全に届ける土台を知ることが、いちばんの優しさなのかもしれません^^

『2.思っている以上に傷が治りにくい』については、また来週^^

ここからはお知らせです☆
⇓⇓⇓

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