介護や医療現場にアロマを取り入れる場合。忘れてはいけないたった一つのこと。

 

患者さんの手足って、びっくりするくらいに細かったり。。。 予想以上に関節が硬かったり。下腿の浮腫みが強かったり。

 

17年間患者さんの身体を触れ続けている私でも

 

リハビリやトリートメントを行う時は

 

患者さんの肌を傷つけたりはしないだろうか

 

リハビリやトリートメントを行った翌日に何か問題は起こってないだろうか・・・

 

顔には出さなくても、気が張ってしまうしまうもの。

 

でも、病を抱えた方の身体に触れるというのは、それくらい注意するに越したことはないと私は思っています。

 

アロマテラピーは心にも身体にも働きかけてくれて

 

病を抱えた利用者さんや患者さんにとっての癒しのツールとしてはとても役立つと思います。

 

実際私も毎回ではありませんが、ホスピスで患者さんへフットトリートメントを行っています。

 

その場合に忘れていけないたった一つのこと。

 

それは

 

利用者さんや患者さんは身体の機能に何かしらの問題を抱えているということ。

 

精油の作用も大切ですが

 

それよりも

 

ゆっくり・優しく・丁寧に身体を扱う

 

そのことだけは忘れないでくださいね☆

 

アロマを伝えている各協会で教えているアロマテラピーは

 

基本的には健康な方の体調管理としてのアロマテラピーです。

 

介護・医療分野におけるアロマテラピーは更に注意事項が出てきます。

 

 

きっとお薬も数種類服用している方がほとんどでしょう。

 

高齢となればなるほど、何かしらの疾患が重複している場合もあります。

 

既往歴もあります。

 

現病歴と既往歴のチェックは忘れてはいけません。

 

例えばなんですけど。

 

 

車椅子に座ってフットトリートメントを・・・という場合

 

足を台に乗せたりして行ったりすると思いますが。

 

その場合は身体の状態を詳しく知っているスタッフに、股関節や膝関節の手術歴がないか必ず確認したほうがいいです。

 

人工股関節を入れる手術を行っている場合、関節の動きで、動かしてはいけない動きの方向があります。

 

 

屈曲(90°以上)・内転・内旋という動きは、人工股関節(人工骨頭)の患者さんには禁忌肢位です。
※股関節を曲げた状態で膝が内側に入るようなひねる動作

 

分かりやすい例だと・・・椅子に座って前かがみになって靴を履くような動きです。

 

理由は

 

その動きは関節が抜けやすい(脱臼しやすい)肢位なのです。

 

リハビリを行う際も

 

その肢位は絶対にとってはいけない肢位です。

 

 

実は私、脳外科勤務時代に人工骨頭置換術後(人工の股関節)の患者さんをベッドから車椅子へ移乗させる際に、足の向きに注意をするのが足りず・・・

 

人工骨頭が抜けてしまった(脱臼してしまった)経験があります。

 

これは医療事故レベルです。

 

患者さんは再手術となり、医師をはじめ病院全体を巻き込んだという事態を経験しています。

 

この経験はほんとーーーーに辛い経験です。何より、目の前で痛みを叫ぶ患者さんの姿や声は今でも脳裏に焼き付いています。。。

 

車椅子坐位というのはおのずと股関節が屈曲位(90°以上)になっていますから・・・

 

フットトリートメントを行おうとして足を持ち上げた際に、そのような動きになることはありえます。

 

足浴をする際もそのような動きには注意が必要です。

 

特に足浴は、ふき取りの時などはどうしても注意が足元に行きますので・・・

 

股関節部分への注意が向けられない場合があります。

 

持ち運びに便利なフットバス用のバケツは深さがあるものが多いので、足を高く持ち上げる必要が出てきます。

 

なので、過度な股関節の屈曲に要注意です。

 

個人的には、車椅子の方への足浴はくるぶしが浸かるくらいの少し大きめの洗面器くらいがベストじゃないかな?と思います。

 

ハンドトリートメントもしかり。

 

片麻痺の既往歴があれば、肩関節の亜脱臼がある方が多いですし

 

可動域制限がある方がほとんどでしょう。

 

 

ペースメーカーを入れていれば、どうしても左肩の動きは制限が出てきますし。

 

普段はどのくらい動かせるのかを確認してくださいね。

 

ボランティア活動などで、そのような既往歴を詳しくチェックできない場合は

 

スタッフへ『特に気を付ける点や動きはありますか?』と確認するだけでもいいですので。

 

中には感覚障害のひとつで、触れられると更にしびれなどを強く感じてしまう

『異常感覚障害』

 

の方も稀にいらっしゃいます。

 

特に脳出血で『視床』という場所の出血の患者さんに多い症状ですが

 

『視床痛』

 

という言葉があるくらい、常に痛みを感じている方もいらっしゃいます。

 

利用者さん・入所者さん・患者さんは本当に様々な症状を抱えている方が多いので

どうかハンドやフットのトリートメントを取り入れる場合は、丁寧に丁寧に身体を扱ってくださいね☆

 

ハンドトリートメント講習で習うような、母指で圧をかけるようなことはしなくても十分です。

 

手の重みだけで

 

ゆっくりゆっくりなでるように・・・

 

決して『ここの筋をほぐそう』

 

と力を入れたりせずに

 

ゆっくりゆーーっくり擦る。

 

感覚が敏感な方もいる反面、鈍くなっている方も多いです。

 

痛みを訴えないからと、強く行うと

 

抗血液凝固剤などを服用している患者さんはすぐに皮下出血する場合もありますので。

 

ぜひぜひ

 

ゆっくり・優しく・丁寧に 

 

でどうか皆さんの心身をリラクッスできるように、お手伝いしてください☆

 

精油の濃度は、『薄すぎるかな?』くらいでちょうどいい。

 

0.5%でも十分だと私個人は考えています。

 

内科的な疾患が重複して、薬の服用が多い方は

 

元々代謝機能に負担をかけている状態かと思いますので

 

精油をトリートメントオイルに入れずに、近くに精油を1滴落としたティッシュなどを置いて香りを楽しんでもらいながら

 

植物油のみでトリートメントするだけでも十分だと

 

私は考えています。

 

色々注意点ばかり言ってきましたが

 

決して怖がらせようとして話しているのではないですよ☆

 

どうか、利用者さん・入所者さん・患者さんの身体の安全を第一に考えて

 

ゆっくりすぎるくらい

優しすぎるくらい

丁寧すぎるくらい

 

身体を扱う

 

それだけでいいんです。

 

ハンドやフットトリートメントの気持ち良さは

 

きっときっと皆さんの心も身体もほぐしてくれます☆

    介護や医療現場にアロマを取り入れる場合。忘れてはいけないたった一つのこと。” に対して2件のコメントがあります。

    1. 姫井千恵 より:

      貴子さん、こちらの記事シェアしても良いでしょうか?

      1. ReleasingTime より:

        姫井さん、こんにちは。
        シェア構いません(^-^) こちらこそ、ありがとうございます☆

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