自然療法や予防医学の良さを伝えようとするとき、どんな言葉を使っていますか?
自然療法や予防医学の良さを伝えようとするとき、あなたはどんな言葉を使っていますか?
私は自然療法や予防医学は素晴らしいと思っているし、大切だとも思っています。
だから病院での仕事にも取り入れているし、サロンでアロマテラピーメニューを提供しています。
でもね。
私が脳外科や訪問リハ、ホスピスで働いてきて病を抱えながら生きている患者さん、
そして支える家族。
その方たちを数えきれないほど見てきた私が絶対に言えないこと。
それは
病気になったのは健康管理を怠った『自己責任』
子供の病気は母親の管理が悪かった『母親の責任』
自然療法を知らない・受け入れない人は『無知な人』
そんなの誰だって言わないよ
そう思うますか?
でもね。
自然療法や予防医学を伝える方たちのHPやブログ、SNS。
そう受け取られてもおかしくない表現をしている方たちがとーーーーっても多い。
『病院に行って病気を一生懸命探して・・・』
最近目にした文章では
『がんに負けてしまう人の特徴』→『笑顔のない生活』
なんてとんでもないものも(実際はもっと色々書かれていましたけど。。。)
私はこの場を借りてはっきり言います
病を抱えて生きている方たちに非常に失礼です
特にSNSは誰が見ているか分からない世界。
個人的にそう思っていたとしても、そこで発言することは注意して欲しい。
もし自分が(子供が)病を抱えてしまって、治療しながらでも自然療法を取り入れたいと考えたとしたら
そのような発信・発言を聞いて、悲しくなるとは思いませんか?
『母親の責任論』
もちろん、生活習慣の問題の場合もあるでしょう。
でも
母親って子供の病気がたとえ生活習慣とは無関係な病気だとしても
自分を責めてしまうものなんです。
先天性の疾患を持って生まれた我が子に
『健康に産んであげられなくてごめん』
と自分を責めてしまうんです。
訪問リハ勤務時代
在宅で我が子を看病しているお母さん。
血中酸素飽和度が急激に下がり、手を震わせながらお母さんが薬を投与した夜の出来事を・・・
『正直、覚悟した』
と泣きながら子供を抱いて話すお母さん。
そんな光景が現実なんです。
がんに負ける人の特徴⇒笑顔のない生活・・・?
現在は抗がん剤の点滴を出勤前に投与して、そのまま会社へ出勤し通常勤務するという方たちも増えていることをご存じですか?
見た目ではがんの治療中ということが分からない方たちも多くいます。
心療内科だってしかり。
早朝の外来待合室は、普通の会社員風の方、作業着を着た方、OL風の方・・・
きっと出勤前だろうなという方たちがいらっしゃいます。
あなたの言葉を見たり聞いたりしている人が、実はがんの治療中というのも十分にあり得る時代です。
せっかく良いものを伝えているのに
言葉選びひとつで
時には病を抱えて生きている人、
それを支えているご家族を傷つけ、追い込んでいる現実もあるということだけは
頭の片隅にでも置いていて欲しい。
※実際、ホスピスでそのような番組が観たくないからと
TVを付けないという方もいらっしゃるんですよ。
それこそ、医療と自然療法の溝を深くしてしまうきっかけになりかねません
※現状では、このような発信が溝を深めているのを実感しています
補完的代替医療と言われる自然療法や予防医学が
病を抱える方たちを追い込む存在になってしまっては悲しすぎます。
自然療法は
病を抱えたけれど前向きに治療したり、『治したい』『生きたい』という想いや
『最期まで自分らしく生きたい』という方たちの
『支え』にもなるような存在であって欲しい
口うるさいと感じるかも知れませんが
医療の現場を見ている人間が伝えないと誰が伝える?
という想いで書いています。
どうか必要な方に届きますように