グリーフケアとアロマケア

 

こんにちは。『アロマとハーブの教室 手放す時間』の石川です。

『介護とアロマ』『メンタルヘルスとアロマ』等、毎週水曜日にちょっとしたお役立ち情報をお届けしています。

今日のテーマは『グリーフケア』。

 

『グリーフケア』という言葉を知っていますか?

おそらく初めて聞いたという方も多いと思います。

私もホスピスで終末期の患者さんに関わり始めてから知った言葉です。

 

私が所属する『日本終末期ケア協会』のHPから引用しますと

グリーフとは、日本語で「悲嘆」といいます。悲嘆とは、近親者との死別・別離をはじめとして、さまざまな愛情や依存の対象を喪失した際に生じる反応のことをいいます。

ー日本終末期ケア協会HPよりー

誰しも身近な人とお別れした後は、悲しみに暮れて様々な反応が生じます。

それを『悲嘆反応』といいますが、それをケアする必要性については、まだまだ知られていません。

 

これはご家族に限ったことではなくて、ケアする側の医療・介護職などにも言えることです。

 

私も約5年間ホスピスで勤め、訪問看護でも沢山の患者さんを見送りました。

どの別れも悲しい。

 

私は最初はこの感情にどう対処していいか分からずに、泣きました。

 

ホスピスでは見送った患者さんについて、スタッフ同士が語り合うカンファレンスが隔週で実施されていました。

 

カンファレンスと言っても、いわゆる『報告会』みたいなものではなくて、本当にその患者さんについてスタッフ同士がゆっくり語り合う場でした。

『〇〇さんはお寿司が好きでしたねー』

『散歩に出かけた時はこういう話をよくしてくれました』

みたいな。

 

参加するスタッフは医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・チャプレン(病院付牧師)・薬剤師・栄養士・ボランティアコーディネーター・ソーシャルワーカー・リハビリ(私)等々。

ケアに関わったスタッフの代表たちが参加します。

 

私は一番最初にそのカンファレンスに参加した時、見送った患者さんとの会話について話していると、色々思い出して泣いてしまい、全く話せなくなりました。

 

このカンファレンスの場こそが、スタッフのグリーフケアの役割を果たしているんだと分かった時は納得しました。

『もっとできることはなかったのだろうか』

『今回のケアは十分だったのだろうか』

『自分の判断は正しかったのだろうか』

 

その心残りを、見送った後のカンファレンスで患者さんとの想い出について語ることで、自分のケアについて肯定し、患者さんの死を受け入れ、次のケアに活かすという役割があるそうです。

 

医療・介護スタッフでも必要なのですから、ご家族にはもっと必要です。

そして、介護の分野に関わるアロマセラピストにももちろん必要。家族を見送る全ての人に必要だと思います。

 

でも、『グリーフケア』についてまだ十分に認知されていないため、悲しみをケアする必要性が分からないまま過ごすことが多いです。

 

緩和ケア病棟やホスピスで看取った場合は、遺族同士が交流し合う場が設定されたりする場合もありますが、自宅で看取った場合はどこに行けばいいか分からない。

 

時間が解決するとも言われますが、なかなか悲しみから回復せずに苦しい思いをされる方もいます。

 

グリーフケアは専門的な知識も必要になりますが、身近なところだと、お寺で『グリーフケア』としてお坊さんがお話することもあります。

元々お坊さんはご遺族に寄り添って話を聴いたりする専門家のようなものですが、『グリーフケア』と謳っているお寺さんは、おそらくグリーフケアについての研修を受けていると思います。

(沖縄でもお寺が主催しているグリーフケアの会がありました)

キリスト教なら牧師さん。

その他、臨床心理士・公認心理士さんたちが開催している場合など。『都道府県・グリーフケア』と検索するといくつか出てくると思いますので、チェックしてみてください。

こちらは沖縄県の琉球大学 がんセンター のサポートハンドブックWebサイトで3つ紹介されていました。
https://okinawagansapo.jp/second/sec7-2/
※ただし、『グリーフケア』と謳って高額な請求を行うスピリチュアル系の方もいらっしゃるようですので、信頼できるサイトからのアクセスをおススメします。

 

私はコロナ禍の時に家族をがんで亡くしましたが、当時がん終末期に関わっていたにも関わらず、何もできなかった自分をかなり責めてしまっていました。

そんな時に私のグリーフケアをしてくれたのは、勤め先の看護師長や緩和ケア医でした。

 

その後、私はグリーフケアについてもっと学ぶために、終末期ケア専門士の勉強をしたり、上智大学で開催されているグリーフケア研究所の講座を受講したり。

他にも、親をがんで亡くした子供たちをサポートするチャリティーイベントに参加したりしました。

私は宗教家でもなければ、臨床心理士や公認心理士の資格もないので、専門的なグリーフケアは行えません。

 

でも、介護をしている方が抱えている不安感について話をしたり、介護を終えた方がゆっくり思い出話をできるような、アロマケアの場は作りたいなと常に思っています。

アロマケアというツールがあると、香りで気持ちも落ち着くし、タッチケアで癒されながら、気持ちがゆるりと楽になるのではと考えています。

※コロナ禍前に出張で場所を借りてハンドトリートメントをしながら、看取りについて語る場を作っていたのですが、中断したままです。。。

私が家族の立場だったら、そんな場が欲しいなと思っているから。

 

今は関係ないことでも、いつかは訪れる家族の看取り。

この機会にぜひグリーフケアについて多くの人に知っていて欲しいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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