『スピリチュアルケア』って知っていますか?
こんにちは。沖縄 宜野湾市大山のアロマとハーブの教室『手放す時間』の石川です^^
今日は介護とアロマでぜひ知ってもらいたいことのひとつ、『スピリチュアルケア』についてお話しようと思います。
『スピリチュアル』って色々な捉え方があると思いますが、ここでいうスピリチュアルとは、いわゆる私たちが普段から接している『スピ系』ともちょっと違う(決して否定的立場ではありません。どちらかと言うと私も好きなほうです)。でも全く違うという訳でもなくて、それも繋がっているかな?
『スピリチュアルケア』って医療の分野(主には終末期医療)で使用されている言葉ですし、とても大切なことです。
今回は医療や介護・福祉分野のスピリチュアルケアについて触れていきますね^^
『スピリチュアルケア』ってなに?
ホスピス・緩和ケアなど、がん末期に代表されるような、死を前にした病者への全人的ケアをスピリチュアルケアないしパストラルケアと呼ぶ。
パストラルケアはpastor(牧師)による宗教的ケアがもとだが、現在ではほぼ同義に使われる。引用:日本終末期ケア協会 『終末期ケア専門士公式テキスト(Ⅶスピリチュアルケア)』より
元々の成り立ちはイギリスの近代ホスピスの母と呼ばれる『シシリー・ソンダース』が、『がん末期の患者の苦痛には、単に身体的な苦痛だけではなく、精神的、社会的、スピリチュアルな痛みがある』として、これを『全人的苦痛/トータルペイン』と表したことが始まりです。
ホスピスは宗教的な側面が強い場所なので、スピリチュアルケアは牧師さんの役割が強かったのですが、現在は終末期に関わる全てのスタッフに必要な概念として浸透しています。
スピリチュアルペインとは?
さきほど、痛みには『身体的苦痛』『精神的苦痛』『社会的苦痛』『スピリチュアルな痛み』が存在していて、それを『全人的苦痛』とお話しました。
では、『スピリチュアルな痛み』って何だろう?というところで、それぞれの痛みについて少し説明しようと思います。
1.身体的苦痛
文字通り『身体の痛みや苦痛』です。 痛みのために身体が動かせない、やりたいことができないという苦痛も含まれます。
2.精神的苦痛
疾患などによる不安、イライラ、それに伴ううつ症状など、精神的に表れる苦痛のことです。
3.社会的苦痛
疾患を抱えることによって失われた役割、職、経済的な問題、人間関係の問題などで抱える苦痛のことです。
4.スピリチュアルな痛み(スピリチュアルペイン)
『生』『死』に向き合向き合わざるをを得ない状況となり、これまでの価値観が大きく揺らぐことで生じる苦痛のことです。
スピリチュアルペインは『魂の痛み』と訳されることもあり、『これからどう生きていけばいいのか分からない』『死へ対する恐怖感』など、身体的・精神的・社会的痛みとは表現できないような、目に見えない世界とも関連するような痛みです。
このような魂の叫びというか、痛みのケアを『スピリチュアルケア』と呼び、終末期ケアでは重要視されるケアなのですね。
10年以上医療現場で勤務していた私も知らなかった『スピリチュアルケア』という言葉
私は元々は脳外科や整形外科などの患者さんを主とした病院に10数年勤めた後に、訪問看護やデイサービス勤務を経てホスピスに就職しました。
元々勤めていた病院でも、担当患者さんがお亡くなりになるという経験もしています。でも、『スピリチュアルケア』という言葉はホスピスで勤めてから初めて知った言葉です。
勤務初日に参加したスタッフカンファレンス。その時に初めて『スピリチュアルペイン』という言葉が出てきました。
電子カルテを開いてみると、医師や牧師さん、看護師の記録(ホスピスでは牧師さんも医療スタッフと一緒に回診に参加して、カルテの記録もします。病院で働く牧師さんのことを『チャプレン』と呼びます。)にも『スピリチュアルペイン』と記載されていました。
何となく分かるような、でもよく分からないような・・・さらには、その『スピリチュアルペイン』のケアがどのように行われるのかが全くの無知だった私は、そこから聞いたり、調べたりで知ることになるのでした。
スピリチュアルな痛みを抱えるのは本人だけではないし、大きな病気に限ったことではない
スピリチュアルな痛み(スピリチュアルペイン)という概念がホスピスから始まったこともあり、今回はホスピスでの経験からお話していますが、これはご本人の痛みに限ったことではないし、がん終末期に限ったことでもありません。
何かを失うことの恐怖や苦痛は側にいるご家族も同じように抱えていますし、貧困・孤立・虐待などで『生きづらさ』を感じている方たちにも存在します。
始まりはホスピスでのがん終末期から始まった『スピリチュアルケア』ですが、現代社会に生きる私たちにとって身近で必要なケアになっていると思っています。
『スピリチュアルケア』を提供する側にも必要な『スピリチュアルケア』
ホスピスでは多くの看取りを経験します。私も最初に勤めた病院で何度か担当患者さんがお亡くなりになられた経験もありましたが、ホスピスではそれとは比較できないほど多く直面します。
そして、『死』という言葉が本当に身近に存在します。
海外はキリスト教などの宗教が浸透しているので、『死』に対する捉え方が日本とは大きく違うと言われます。
日本も神社やお寺、沖縄だと祖先崇拝が一般的ですが、そこで住職さん・神職さんからお話を聞く機会ってほとんどないですよね。
家族の間でそんな話をする機会もあまりない家庭が一般的ではないでしょうか?
それもあって、私はホスピス勤務したばかりの頃、担当患者さんを見送りする度に何ともやりきれない、表現しがたい心の状態になりました。
ホスピスでは私はリハビリ職が一人でしたし、ほとんど一人で行動していて看護師のスタッフルームでゆっくりおしゃべりするということもありませんでした。
なので、その心の状態を相談したり、話したりできる人がいなかったんですよね。もう『我慢してその状態をやり過ごす』という方法しかありませんでした。
でも、とある患者さんを看取った後のスタッフカンファレンスで感情が爆発していまい、号泣してしまったのです。
その日から、院長をはじめとする緩和ケア医、牧師さん(チャプレン)、看護部長・看護師長、看護主任が主に私のスピリチュアルケアを担ってくれました。
それだけではなくて、更衣室で一緒になった看護師さんや、ホスピスボランティアスタッフの方たちとケアについて相談できるようになりました。
私はその経験があってから、スピリチュアルケアは医療・介護福祉分野に関わる全ての人に必要なケアだなと実感しています。
そして、医療・介護スタッフだけではなくて、そこに関わるアロマセラピストも同様だと思います。
人対人のケアに関わる上で、その人の話を聴く上では外せない考え方だと思いますよ^^
『スピリチュアルケア』についての具体的なエピソードやその後につながる『グリーフケア』についてもお話ししたいのですが、長くなりましたので次回にお話しようと思います。^^
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