精神科病院でのアロマケア導入の話

 

こんにちは。沖縄 宜野湾市のアロマの教室『手放す時間』の石川です。

介護とアロマについてのお話をしようと思っていたのですが、今日は介護とは少し違いますが『精神科病院でのアロマケア』についてお話しようと思います。

今日の記事はこれから医療機関や介護施設にアロマケアに入っていきたいと思っている方へ、少しでも参考になれば幸いです。

まず大事なのは『導入』。スタッフ向けにアロマケア体験会を実施

私はコロナ禍突入して少し経過した頃まで、とある精神科病院のデイケアのアロマケアに入っていました。

きっかけは私が知り合いの医療・介護関係者にお願いしたアロマケアに関するアンケートだったのですが、そのアンケートに回答してくれた作業療法士の友人からの声かけで実現しました。

※なぜアンケートを取ろうと思ったのかなどの経緯については過去記事を読んでみてください♪
『私が医療・介護分野でアロマケアに入るようになったきっかけ』

 

声かけしてもらって、アロマケアに入ることは決定はしていたのですが、精神科病院という性質もあってスタッフさんの協力はなくてはならいもの。

どんなことが出来るのかスタッフさんの意思確認も必要でしたし、どんな疾患の方が対象なのかということも大切です。

どれくらいの時間をもらえるのか、何人くらいの方を対象にするのか、場所はどんな空間なのか。などなど。確認しなければいけないことは多々あります。

 

そして何より、私がやろうと思っているアロマケアに、スタッフさんが納得してくれるのかということも大事なことです。

スタッフさんが納得していないのに、協力をお願いするということほど難しいことはないので。

そこで私はまず、デイケアのスタッフさんへハンドトリートメントの体験会をしました。

 

体験会でスタッフさんと意見交換

体験会でスタッフさんにハンドトリートメントを行うと、本当に色々『なるほど!』ということがありました。

デイケアの責任者だった看護師さんと作業療法士さんが気にしていたのが、『ハンドトリートメントの距離の近さ』

通常、ハンドトリートメントって机を挟んで向かい合って行いますよね? それが、距離が近いということだったんですよね。

距離と言っても、物理的な距離というよりは『パーソナルスペース』としての距離です。

 

真正面から向かい合って座るって、精神科領域やコミュニケーションに問題を抱える方にとっては難易度が高いんです。

ということで、話し合った結果決定したセッティングがこちら

机の角を利用して90度の位置に座るという方法です。

ケアを行う場所の机が大きかったのも幸いしました。 この位置だと受ける側が顔を上げた時に、私の顔が真正面にないので、緊張感がいくらか和らぐんです。

この位置の座り方については、色々な分野の面接法でも解説されているので、詳しく知りたいかたは調べてみてくださいね^^

 

他にも、体験会を通して一度のケアで何人対象にするか、何人スタッフを配置したほうがいいか、どんな流れでケアを進行していくかなどを細かく話合いました。

 

次にやったことは利用者さんへのアロマ講座と体験会

スタッフさんへと打ち合わせした後は、利用者さんへの体験会です。

アロマハンドトリートメントという直接触れるという方法は、利用者さんにとっては未知の世界。

そして、アロマテラピーについても名前は聞いたことはあっても、実際どんなものなのかはよく分からないのが現状です。

ごくごく分かりやすく、短時間、そして体験と、30分~40分という時間制限の中で実施。

 

確か利用者さんが20名以上、スタッフさんがデイケアの他、病棟からも参加していただいて10名くらい参加してくださっていた記憶です。

ハンドトリートメント体験も、2~3人体験してくれればいいなあと思っていたのですが、10名以上の方が並んで体験してくれました。

 

気軽に出たり入ったりできる『くつろげる空間づくり』

 

アロマケアってやっぱり女性のイメージがまだまだ強いので、デイケアでも希望者は女性かなと予想していましたが、始まってみると意外にも男性が半数以上。

それも、みなさんリピーターになってくれました。

 

ケア中におしゃべりを楽しむ方もいれば、一言も発しないながらも毎回受けに来てくれる方。

精油の香りにつられて部屋に入ってくるのですが、ケアは受けずに椅子に座るだけの方。色々な方が出入りしてくれました。

私はアロマケアの空間を気軽に出入りできる休憩所のような空間にしたかったのです。

 

アロマトリートメントを受けなくても、香りを嗅ぐだけでも気持ちが楽になったりするのがアロマケアの良いところ。

それを利用して、色々な香りを嗅ぎに来たり、ゆったりした音楽を聴きながらアロマ関係の雑誌や本をパラパラめくりながら、ゆっくりくつろげる空間を演出しました。

 

それにはスタッフさんも賛成してくれて、希望者には肩のホットパックをスタッフさんたちが用意してくれたり、噂を聞きつけて入院病棟の患者さんがスタッフさんと一緒に立ち寄ってくれたり、中には、畑の作業活動の合間に休憩がてらアロマケアの時間に合わせて立ち寄ってくれる方もいらっしゃいました。

 

『こんな空間が作りたかった』という空間をスタッフさんたちと一緒に作っていきました^^

順調にケアが進み、追加で活動に取り掛かろうと話し合った直後に襲ったコロナ禍

当初はハンドトリートメントのみでアロマケアに入っていましたが、責任者でもあった作業療法士さんからの意向で、アロマクラフト作成を楽しむ『アロマ部』を作ろうと話していたのです。

これは作業療法の視点からも良い作業活動になりますし、もしかしたら作業療法士さんたちの研究発表などの題材としても協力できそうと思い、私もノリノリの乗り気でした。

しかしそこで襲ったコロナ禍(泣)

ケアも一時中止に。

数か月後に感染対策を徹底した上で再開したのですが、やっぱり病院としても大変な事態に突入しまして、そこでデイケアでのアロマケアは終了となりました(泣)

実現したかったな・・・精神科デイケアでのアロマ部。

 

介護に役立つアロマケアー応用編ーでは、そんな各分野のアロマケアの話も盛り込みながら、疾患の特性や注意点について学べる講座にしようと思っています。
※応用編は2025年1月開講

 

介護に役立つアロマケアー入門編ー 10月20日に募集を再開します。

応用編は2025年1月開講です。

 

入門編は『アロマのきほん』と『介護にアロマを取り入れる際のきほん』の理論と『簡単にできる手足のアロマトリートメント実技』の2本柱です。

内容は基本的には『介護を必要とする方のご家族向け』の内容です。 これまでも開催していた内容を若干修正を加え、受講期間2日間だったのを1日完結にしました。

 

実技のトリートメントはあくまで『今日からできる』にこだわっていますので、アロマセラピストが行うような方法から、細部は省かれています。

介護を必要とする方のトリートメントは長い時間は負担がかかるので、手と脚で10分~15分ほどで行えるようにしています。

既にハンドトリートメントやフットトリートメントは習った、セラピストの資格を持っているという方へは理論のみの受講も可能です。

 

講座の詳しい内容はご案内ページをご覧ください☆
⇒今日から実践できる 介護に役立つアロマケア講座ー入門編ーご案内ページ

 

それでは、来週またお会いしましょう♪

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